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海洋散骨と宝石供養を併用する選択肢とは?

Column 作成日:2025.11.27 更新日:2025.11.27
海洋散骨

海洋散骨と宝石供養──自然へ還す安らぎと、手元に残る安心感。
ふたつの供養を組み合わせ、大切な方との絆をより豊かに残す方法があることをご存じでしょうか。

この記事では、海洋散骨と宝石供養それぞれの基本的な意味や流れ、併用によって生まれる価値、実現のための注意点をわかりやすくご紹介します。

供養の選択肢が広がったことで、「自分にとっていちばん心に寄り添える方法はどれだろう」と迷われる方も少なくありません。この記事から、あなたにとって納得のいくかたちを見つけていきましょう。

海洋散骨とは?特徴と基本的な流れ

海洋散骨は、ご遺骨を海に還す自然葬の一つとして、近年注目を集めています。海を愛した故人様の想いをかなえる方法であり、お墓を持たない新しい供養のかたちとして選ばれることも増えています。ご遺骨の供養というと「お墓への埋葬」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はそのほかにもいくつかの方法があります。
ここでは、まず海洋散骨について、その特徴や基本的な流れをご紹介します。

海洋散骨とは

「海洋散骨」とは、粉末状に砕いたご遺骨を海へと撒く供養方法です。ご遺骨が自然へと還ることから「自然葬」とも呼ばれています。海洋散骨が広がっている背景には、核家族化や少子高齢化に伴う墓守の負担軽減、自然回帰志向の高まりがあります。
「砕いたご遺骨を海へ撒く」という行為に疑問を抱かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、海洋散骨は法律上問題ない供養ですのでどうぞご安心ください。

海洋散骨の主な流れ

一般的な海洋散骨は、まずご遺骨を粉末状にする「粉骨」から始まります。これは海洋環境への配慮と、法律・マナーの観点から必要な工程です。
その後、船で指定海域へ向かい、献花や献酒、黙祷などを行ってからご遺骨を海に還します。散骨後は、命日や法要のタイミングに合わせて、散骨をした海に心を向けて手を合わせることが多く、そこが新たな祈りの場所となります。

海洋散骨を選ぶ理由

海洋散骨には、故人様にとっての魅力と、ご家族にとっての魅力がそれぞれあります。

故人様にとっての魅力は、「お墓の管理負担を家族にかけさせたくない」というお気持ちを叶えられること。さらに「自然に還るように眠りたい」「宗教や宗派にとらわれずに旅立ちたい」という想いにも寄り添うことができます。

ご家族にとっての魅力は、お墓を維持するための費用や管理の負担がかからないことに加え、特定のお墓に通う必要がなく、場所に縛られずに故人様を偲べる自由さがあります。
また、故人様が長い闘病生活を送っていた場合には、広い海をどこまでも自由に旅立っていくような姿を思い描くことができ、心が穏やかになる方もいらっしゃるようです。

こうした想いが、海洋散骨という選択肢の広がりを後押ししています。

宝石供養とは?

宝石供養は、ご遺骨を「宝石」に変えて手元で想いを守り続ける方法です。海洋散骨も宝石供養もどちらも故人様とのつながりを大切にするものですが、宝石供養は「かたちとして残す」ことに重きを置きます。
ここでは、その意味や心情的な背景を見てみましょう。 


宝石供養の基本

「宝石供養」には、ふたつの意味があります。ひとつめは、故人様のご遺骨の一部をペンダントなどの専用アクセサリーの中に納め身につけること。ふたつめは、故人様のご遺骨やご遺髪の一部を素材として人工的に宝石を生成する方法です。生み出された宝石は、希望の形状にカットし、そのまま手元に置くか、指輪やネックレスに仕立てます。

海洋散骨と同じように、宝石供養も法律上問題のない方法ですのでご安心ください。 


ご遺骨を“宝石”に託す意味 

大切な人を亡くす悲しみは、残されたご家族の心に深い影を落とします。

「もう会えないけど、いつでも存在を感じていたい」
「前を向いて生きていく私を、ずっとそばで見守っていてほしい」
そんな想いを抱かれる方も少なくありません。

ご遺骨を宝石に生まれ変わらせることは、その願いをかたちにする方法のひとつです。決まった場所で手を合わせるだけでなく、宝石を身につけることで、日々の暮らしの中でも大切な人の温もりや存在を感じることができます。

さらに、宝石という丈夫で美しい形にすることで、時を経てもその輝きは失われず、次の世代へと受け継ぐことも可能です。

宝石供養は「これからも身近に感じたい」という想いと、「永く大切に残したい」という願いを、そっと包み込む優しいぬくもりの姿なのです。 


供養で使われる宝石「ダイヤモンド」と「リヴナイト(モアサナイト) 」

ご遺骨から作られる宝石にはいくつか種類がありますが、代表的なものが「ダイヤモンド」です。ご遺骨やご遺髪の一部から炭素を取り出し、高温・高圧の環境で人工的に生成するもので、天然ダイヤモンドと同等の美しい輝きを放ちます。

一方、ダイヤモンドと並ぶ存在として注目されているのが「リヴナイト(モアサナイト) 」です。こちらもご遺骨やご遺髪から炭素の一部を抽出する点は同じですが、高温・高圧処理ではなく、真珠のように炭化ケイ素を幾重にも重ねて仕上げる、環境にやさしいエシカルな製法が用いられます。そのうえ、ダイヤモンドをはるかに上回る輝きと、高い耐久性を兼ね備えているのが特徴です。

他にもサファイヤや麗石などもありますので、ご自身に合った宝石を選ばれるとよいでしょう。

 

海洋散骨と宝石供養を併用するという選択肢

海洋散骨と宝石供養はそれぞれ異なる特徴を持つ供養方法ですが、このふたつを組み合わせることで、それぞれの良い点を活かし、大切な方とのつながりをより深く残すことができます。形式にとらわれず、自然に還るお別れを望まれる方や、お墓のように特定の場所にこだわらずに、心の中で静かに手を合わせたいとお考えの方にはおすすめです。

「ご遺骨の一部を宝石にして手元に残し、残りを海洋散骨する」。この新しい選択をとることで、故人様の存在をいつもそばに感じながら、「残す安心」と「自然へ還る安らぎ」の両方を叶えることができます。大切な人への愛や感謝の気持ちを双方で表現できる供養方法として選択してみてはいかがでしょうか。 

海洋散骨と宝石供養を併用する場合の具体的な方法

海洋散骨と宝石供養を組み合わせる場合は、まずそれぞれを請け負ってくれる会社を探すことから始めます。

依頼する会社が決まったら次は、どちらの供養を先に行うかを決めましょう。

・海洋散骨で故人様を見送ってから宝石加工を依頼する
・宝石加工を依頼し、完成して手元に届いてから海洋散骨を行う

なお、ご遺骨を分ける場合には「分骨証明書」が必要ですが、宝石供養のように少量を手元で保管するだけであれば、原則として不要です。ただし、後日何らかの理由でご遺骨をお墓に埋葬することになった場合には必要になるため、あらかじめ用意しておくと安心です。

Iroatiqueでは海洋散骨と宝石供養の両方をお受けすることができます。詳しくは「海洋散骨+宝石リヴナイトセットプラン」をご覧ください。 

それぞれの供養を併用するときの注意点

海洋散骨と宝石供養を組み合わせる場合、準備の手順が複雑になります。スムーズに進められるように、こちらでご紹介する注意点をしっかりと押さえましょう。


どちらの供養を先に行うかを決める

海洋散骨と宝石供養と、どちらを先に行うかを決めましょう。例えば、ご遺骨のすべてを海洋散骨してしまうと、後から取り戻すことはできません。「やはり一部は手元に残しておけばよかった」と後悔する可能性もあります。一方、宝石供養で必要となるのはご遺骨の一部だけであるため、残りをどうするかを事前に決めておく必要があります。


併用について家族や宗教者の同意を得る

ご家族の中でも供養のかたちに対する考え方は異なります。「海に還すこと」に安心を覚える方もいれば、「形を残すこと」に価値を感じる方もいらっしゃるでしょう。また、先祖代々お付き合いしている菩提寺がある場合は、お墓を持たない供養方法に難色を示されるかもしれません。

こうした違いを埋めるためには、供養についてそれぞれが思うことを話し合う時間を持つことが大切です。故人様の希望やご家族の気持ち、そして宗教的な背景やこれまでの慣習などを丁寧に共有することで、納得できる方法が見つかりやすくなります。


信頼できる会社を探す

海洋散骨は広く知られるようになってきましたが、まだ一般的な供養方法とはいえず、実際にどのような流れやスケジュールで進むのか詳しく知らない方も少なくありません。

また、宝石供養は大切な方のご遺骨の一部を預けるため、繊細な取り扱いと安心感が求められます。

そのため、海洋散骨と宝石供養のどちらについても、信頼できる会社を選ぶことがとても大切です。「信頼できる会社」を見極めるポイントとしては、

•見積もり内容が明確でわかりやすいか
•スタッフの話し方や受け答えに安心感があるか
•疑問や不安を気軽に相談できる雰囲気か
•実績や経験が十分にあるか

といった点が参考になります。 


法律・ルールの確認

海洋散骨は法律上問題がありませんが、厚生労働省のガイドラインでは「形がわからないように粉状に砕くこと」と定められています。そのため、1mm~2mm以下の細かいパウダー状にするのが一般的です。

また、自治体によっては散骨できる場所が条例で決められており、中には散骨自体を禁止している地域もあります。

心穏やかに故人様を供養するためにも、法律やルールをしっかり確認したうえで準備を進めましょう。 

海洋散骨と宝石供養に関するFAQ

海洋散骨と宝石供養の併用で心に寄り添うあたたかな供養を

ご遺骨を広い海に撒く「海洋散骨」は雄大な自然へと還る安らぎを、ご遺骨を美しい宝石に変える「宝石供養」は、大切な人の面影をやさしい光として生まれ変わらせてくれます。多様な価値観やライフスタイルに応じた選択肢として今後ますます広がるでしょう。

このふたつを組み合わせることで、故人様との絆をより豊かに、そして長く心に抱き続けることができるでしょう。
散骨のみでは得られない「日々寄り添える安心感」と、宝石だけでは叶わない「自然の中で見送る開放感」を併せ持つふたつの供養を、ぜひ選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。供養の方法に迷われている方が、自分の想いに寄り添うあたたかなかたちと出会えますように。

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