遺骨を宝石にする費用はいくら?モアサナイト加工の料金相場と内訳
「遺骨を宝石に生まれ変わらせることに興味があるけど、どんな種類があって、いくらかかるのかわからないから、なかなか一歩が踏み出せなくて…」
今回は、そんなお悩みを抱えている方に向けての記事をお送りします。ご遺骨からつくられるさまざまな宝石の特徴や費用相場、そしてモアサナイト(リヴナイト)という新たな選択肢、さらには加工の内訳や選び方のポイントなど…最後まで目を通していただくことで、納得のいく宝石選びができるようになるでしょう。
ぜひ、お付き合いください。
遺骨を宝石にするとは?

ご遺骨を宝石にする――これは「手元供養」のひとつとして、近年静かに広まりつつある供養のかたちです。ご遺骨の一部から炭素などの成分を取り出し、特殊な技術で結晶化させることによって生まれます。必要とされるご遺骨の量は数グラム~数十グラム程度と少なく、指輪やペンダントなどに仕立てることで、日常的に身につけることができます。
従来の供養は、家族から受け継いだお墓に埋葬するスタイルが主流でした。しかし、少子高齢化や核家族化、さらにライフスタイルの多様化が進んだ近代では、「お墓に通うことが難しい」と感じる方が増えています。
そうした中で、ご遺骨を宝石に託し、身につけることは「大切な方がいつもそばにいる」という実感を与えてくれます。ふとした瞬間に指先や胸元で輝くその光は、「大丈夫だよ」と背中を押してくれたり、「見守っているよ」とささやいてくれたりしているように感じることでしょう。
「大切な人の存在を、いつまでも心に宿す」
ご遺骨を宝石にするという選択は、そうしたあたたかな想いをかたちにする、現代ならではのやさしい供養なのです。

遺骨からつくられる主な宝石と費用相場
ご遺骨からつくられる宝石には、特性、かたちや色の異なるものがいくつかあります。
ここでは、代表的な4種類の宝石と、その特徴や費用についてご紹介します。
ダイヤモンド
ご遺骨から生まれる宝石のなかでも、よく知られているのが「ダイヤモンド」です。ご遺骨から取り出した炭素を高温高圧の環境で結晶化し、天然のダイヤモンドと同等の美しい光を放ちます。
「宝石の王様」とも呼ばれるダイヤモンドには、「永遠の絆」や「純愛」といった象徴的な意味が込められています。そのため、大切な想いをずっと輝きに託したいと願う方に選ばれることが多い宝石です。
費用は宝石の中でも高く、0.2カラットで約60万円、1カラットは300万円以上が目安です。
サファイア
透明感のある青や紫がかった深い色合いを持つサファイアは、「誠意」「高潔」を象徴する宝石として知られています。ダイヤモンドに次ぐ高い硬度を持つため、傷つきにくく、普段使いがしやすいのも特徴です。
費用の目安は0.2カラットで30万円、1カラットで80万円です。
パール(真珠)
ご遺骨を核にして、そのまわりに真珠層を形成するという特別な製法で作られるパールは、身に着けたときのやさしい風合いが印象的です。ピアスに加工すれば、冠婚葬祭の装いにも合わせられるため、「大事な時にも常にそばにいてほしい」という願いを叶えることができるでしょう。
費用は10球前後で約50万円。自然の営みの中でゆっくりと時間をかけて創り上げるため、最終的に受け取れる珠の数は異なります。
麗石(れいせき)
ご遺骨と石英(せきえい)と呼ばれる鉱物を高温にかけることによって生み出されるのが「麗石」です。
見た目は翡翠のようになめらかで、さまざまな形や色に変えることができます。また、墓石として知られる御影石の3倍以上の強い強度を持つため、日常的に身につけても安心です。
費用は約10万円からと、ご遺骨からつくられる宝石の中でも比較的リーズナブル。多くの方が手に取りやすい価格帯であることも魅力のひとつです。

モアサナイト(リヴナイト)の魅力と費用
ここまでご紹介したダイヤモンドやサファイアに加え、新たな選択肢として登場したのが「モアサナイト」です。
その美しさ、意味、そして費用面での選びやすさから注目を集めています。
ここでは、モアサナイトの基本と、国産ブランド「リヴナイト」の特徴、そして費用感をご紹介します。
モアサナイトとは?
モアサナイトは、もともと隕石から発見されたとても貴重な鉱物です。現在は石炭や天然ガスを使って人工的につくることができます。
ダイヤモンドに非常によく似た外観を持ちながら、光を反射する力(屈折率)はダイヤモンドを上回るほど。キラキラと虹色のような輝きを放ち、見る角度によってさまざまな表情を見せてくれるのが魅力です。
遺骨からつくるモアサナイト(リヴナイト)とは?
モアサナイトはご遺骨からもおつくりすることができます。「リヴナイト」は、そんな遺骨モアサナイトの中でも、国内で一貫して製作されているとてもめずらしい国産ブランドのひとつ。大切な想いを、安心とともに残したい方から選ばれています。
リヴナイトは、ご遺骨から抽出した炭素を小さな核とし、そのまわりに炭化ケイ素を何層にも重ねてゆっくりと結晶化させていきます。まるで真珠が育つようなやさしい工程を経て、美しい輝きをたたえた宝石が生まれるのです。
その輝きは、ダイヤモンドの約1.2倍の屈折率と、2.5倍の分散度。光を受けるたびに繊細で華やかなきらめきを放ちます。また、モース硬度は9.25と高く、日常的に身につけても傷がつきにくいため、長く安心してご愛用いただけます。
さらに、リヴナイトは採掘を必要とせず、製作に伴うエネルギーも少ないため、環境にやさしい“次世代のエシカルジュエリー”としても注目されています。強さとやさしさ、その両方をあわせ持つリヴナイトは、大切な方への想いをやさしく包み込み、これからの時間をともに歩んでくれる宝石となるでしょう。
遺骨からつくるモアサナイトの費用相場
見た目も輝きもダイヤモンドと並ぶモアサナイトですが、その価格は大きく異なります。1カラット300万円を超えるダイヤモンドに比べ、モアサナイトは同じカラットでも30万円ほどから製作することが可能です。
「見た目の美しさや耐久性にもきちんとこだわりたい。けど、できるだけ無理のないかたちで手元に残したい」
「費用のことで、供養の選択肢をあきらめたくない」
そんなお気持ちに、モアサナイトはそっと応えてくれるでしょう。

遺骨からつくる宝石の費用が変わる要素とは?
「ご遺骨から作られる宝石をいざ依頼してみたら、思っていたより高くなってしまった…」という声を耳にすることもあります。その理由は、仕上がりに影響するさまざまな要素が費用に関わってくるからです。主なものとして、以下が挙げられます。
| 要素 | 詳細 |
|---|---|
| カラット数(サイズ) | 一般的には大きいほど費用が上がります |
| 宝石の色指定 | ブルーやピンクなどの着色には追加費用がかかる場合があります |
| カットの種類 | ラウンド、オーバル、プリンセスカットなど、デザインによって費用が異なります |
| 刻印 | 故人様のお名前やメッセージを入れる場合は、別途加工費がかかることがあります |
| ジュエリーへの加工 | ペンダントや指輪などに仕立てる場合、宝石代とは別に加工費が必要となり、プラチナ、ゴールドなど、土台となる金属の種類によっても価格が変動します |
| 保証書・鑑別書の有無 | 品質証明書をつけるかどうかも、最終金額に影響することがあります |
このように、完成までの工程やオプションの選び方によって費用に幅が出るため、事前に見積もりの内訳をしっかり確認しておくことがとても大切です。
宝石選びで大切にしたいこと
「高価なもののほうがきっといい」「安いほうが気楽に残せるのでは?」――宝石選びを考えるとき、どうしても価格の印象が先に来てしまいがちです。
しかし、ご遺骨からつくられる宝石は単なるジュエリーではなく、大切な人を偲ぶための“供養”のかたちです。
「その人らしさを残せるのは、どんなかたちだろう?」
「毎日身につけるなら、どんなデザインが心地いいかな?」
そんな問いかけをご家族の中でゆっくりと共有してみるのも、宝石選びを深めてくれる大切なプロセスです。
“宝石に込める想い”を出発点に考えてみることで、心から納得できる、自分たちらしい選択にたどり着けるでしょう。

遺骨からつくる宝石の費用に関するFAQ
宝石の大きさが供養の深さを決めるわけではありません。ご遺骨を託して生まれた宝石そのものが、世界にひとつだけの特別な存在です。小さめの宝石であっても、そこに込められた想いが何よりの価値となります。
小さなサイズの宝石は費用を抑えられるだけでなく、日常生活の中で身につけやすいという利点もあります。たとえば、指輪やペンダントに仕立てれば、さりげなく身近に感じながら過ごすことができますし、好きな場所へ連れていくことができるでしょう。ご自身やご家族の生活に合ったサイズを選ぶことで、より長く安心して寄り添える供養が実現できます。
ご遺骨からつくる宝石の費用を抑える方法として最初に考えられるのは「宝石のカラット数」です。大きなサイズにするほど費用は高くなるため、少し小さめのカラットを選ぶことで負担を減らしつつも、美しい輝きを十分に楽しむことができます。
次に、アクセサリーのデザインも重要です。複雑で装飾が多いデザインほど加工費用がかかるため、シンプルで上品なデザインを選ぶことで費用を抑えられます。さらに、製作を国内で行っている会社に依頼するのもおすすめです。海外製作の場合、輸送費や管理費が上乗せされるケースがありますが、国内で完結できる会社であれば、そうした追加費用を避けやすく、安心してやり取りができるでしょう。
基本的にはお見積りに記載されている金額が最終的にかかる費用ですが、制作の途中で「やっぱりデザインを変更したい」「刻印や装飾を追加したい」といったご希望が出た場合には、その分の追加費用が発生することがあります。
不安をなくすためには、契約前に「どこまでが基本料金に含まれているのか」「オプションにするとどのくらい費用が変わるのか」をしっかり確認しておくことが大切です。あらかじめ細かい部分まで確認しておけば、後から予想外の費用がかかる心配をせずに、安心して依頼を進めることができます。
遺骨からつくる宝石は“費用”と“想い”のバランスを大切に
ご遺骨を宝石にするという選択は、「これからもそばにいたい」という想いをかたちにする、あたたかでやわらかい供養のかたちです。
ダイヤモンドやサファイア、麗石、そしてモアサナイト――
それぞれに異なる魅力があり、費用や加工内容もさまざまです。大切なのは、その違いを知り「どの宝石が自分の想いに一番近いか」を見つめること。
迷いながらでもかまいません。
想いを込めるというその行為そのものが、すでに大切な供養の一歩となっているのですから。